小山市の空き家・相続不動産は今後どうなる?これから10~20年の不動産市場を考える

全国で空き家が増えています。

今後、小山市でも相続などをきっかけに、住む人がいなくなった実家や土地について相談する方が増えていくと考えられます。

ただし、これから増えるのは、すぐに買い手が見つかる条件のよい不動産ばかりではありません。建物が古い、建築確認申請の履歴を確認できない、前面道路が狭いなど、売却前に詳しい調査が必要な物件も増えていくと思います。

今回は、小山市の空き家や相続不動産が今後どうなっていくのか、日頃の売却相談や物件調査を通じて感じていることも交えながら考えます。

全国の空き家は約900万戸に増加

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月時点の全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高となりました。

この中には賃貸用や売却用の住宅も含まれますが、賃貸・売却・別荘などの目的がない空き家も385万6千戸あります。

参考:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」

空き家が増える背景は、人口減少だけではありません。

  • 親が亡くなり、実家を相続した人が県外に住んでいる
  • 高齢になり、施設や子どもの家へ移る
  • 相続人が複数いて、今後の方針が決まらない
  • 荷物や仏壇が残っていて、片付けを進められない
  • 売却したくても、建物や道路に問題がある

このような事情が重なり、使われないままの不動産が増えていくことが考えられます。

小山市でも空き家の実態調査が進められている

小山市では、2026年7月から12月まで、市内全域を対象とした空家等実態調査が実施されています。

この調査は、市内の空き家件数や分布状況などを把握し、今後の空き家対策を進めるためのものです。現時点では調査中のため、最新の空き家戸数はまだ公表されていません。

参考:小山市「空家等実態調査について(市内全域)」

また、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、小山市の人口は2025年の約16万6千人から、2050年には約15万人になると見込まれています。

小山市は交通や買い物の利便性が高く、住宅需要のある地域も多くあります。一方で、市内のすべての地域や物件が同じように売れるわけではありません。今後は、立地や道路、建物の状態などによって、売りやすい物件と売却に時間のかかる物件の差がさらに大きくなる可能性があります。

参考:小山市「第3期小山地区定住自立圏共生ビジョン」

今後増えるのは、簡単に売却できる物件ばかりではない

不動産の売却相談では、築年数が古いというだけでなく、調べてみると建築や道路に関する問題が見つかることがあります。

例えば、次のような物件です。

  • 建築確認申請の履歴や関係書類を確認できない建物
  • 前面道路が狭い土地
  • 建築基準法上の道路の種類を確認する必要がある土地
  • 接道状況によって、建て替えに条件が付く土地
  • セットバックが必要になる可能性がある土地

見た目は一般的な古家付き土地でも、建物を解体した後に新しい建物を建てられるとは限りません。また、建て替えができる場合でも、道路後退によって利用できる土地が狭くなり、査定価格に影響することがあります。

そのため、「古い建物だから解体して土地として売ろう」と、調査前に判断するのは注意が必要です。

弊社が古い建物や細い道路の物件で確認すること

古い住宅の前面道路の幅員を確認するイメージ

有限会社島田屋不動産では、古い建物や前面道路が細い物件について相談を受けた場合、まず役所で建築確認申請の履歴を調べます。

あわせて、前面道路が建築基準法上どの道路に該当するのか、敷地が道路にどのように接しているのかを確認します。

書類上の調査だけではなく、現地で道路の状況と実際の幅員も確認します。役所にある資料の内容と現地の状態が、必ずしも同じとは限らないためです。

こうした調査を行ったうえで、再建築の可否やセットバックの必要性、売却方法、査定価格を検討します。

小山市の不動産査定で確認する項目については、小山市の不動産売却相場はいくら?土地・中古住宅の査定ポイントを解説でもご紹介しています。

売却前に建物を解体しない方がよい場合もある

古い建物だからといって、売却前に解体することが必ずしも最善とは限りません。

解体にはまとまった費用がかかります。しかし、更地にしたからといって、その解体費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。

特に、前面道路が狭い土地や建築条件に問題がある土地では、解体費を負担して更地にしても、想定した価格で売却できない可能性があります。その結果、売主の手元に残る金額が大きく減ってしまうこともあります。

そのため弊社では、役所と現地で物件の状態を確認したうえで、建物を解体せず、現況のまま売却する方法も検討します。

室内に荷物が残っている場合も、すべて片付けてからでなければ相談できないわけではありません。先に処分費用をかける前に、現在の状態を確認して売却方法を考えることが大切です。

荷物の扱いについては、小山市で相続した実家の荷物はどうする?処分前の注意点を解説もご覧ください。

空き家は何もしないまま放置しない

一方で、「解体を急がない」ことと「何もしないまま放置する」ことは違います。

2023年12月に施行された改正空家法では、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家が「管理不全空家」として指導・勧告の対象になりました。市区町村から勧告を受けると、敷地に適用されている住宅用地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなる場合があります。

参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」

空き家になった後は、定期的な換気や通水、庭木や雑草の手入れ、建物の傷みの確認などが必要です。すぐに売却しない場合でも、管理を続けながら今後の方針を考える必要があります。

これから不動産会社に求められる役割

今後は、空き家や相続不動産の売却相談が増える一方で、簡単には売却できない物件も増えていくと考えています。

これからの不動産会社には、価格を査定して売り出すだけではなく、次のような役割が求められます。

  • 建物や道路、法令上の条件を調査する
  • 解体費や片付け費用を含めて、売主の手元に残る金額を考える
  • 仲介と買取のどちらが適しているかを比較する
  • 売却せずに管理を続ける選択肢も含めて考える
  • 必要に応じて、解体業者や土地家屋調査士、司法書士などにつなぐ

すべての空き家を、すぐに売却することが正解とは限りません。

所有者の事情や不動産の状態によっては、しばらく管理する、建物を残したまま売却する、隣接地の所有者に相談するなど、別の方法が適している場合もあります。

売却を決める前の段階からご相談ください

空き家や相続不動産は、先に解体や片付けを進めてしまうと、かけた費用を取り戻せないことがあります。

まず建築確認申請の履歴や道路の種類、接道状況、現地の幅員などを確認し、どのような方法が現実的なのかを整理することが大切です。

有限会社島田屋不動産では、売却を押しつけるのではなく、物件の状態と所有者様の事情を確認し、その方にとって最善と考えられる方法をご提案します。

「売るかどうか、まだ決めていない」「解体した方がよいのか分からない」という段階でも大丈夫です。

小山市の空き家や相続不動産についてお困りの方は、費用をかけて作業を始める前にご相談ください。

不動産売却の相談から引渡しまでの全体像は、小山市の不動産売却の流れ|査定・契約から決済・引渡しまででご確認いただけます。